アメリカ発祥の 『Maker Faire』 は、テクノロジーとモノづくりを愛する幅広い世代の人々が集まって創作物とデモンストレーションを披露し、数多の作品や同士たちと共に創り手としての喜びと楽しさを分かち合う、発明と創造の祭典です。開催地は年々増えて、世界中へその潮流が広がっています。
日本ではこれまで東京と京都で開催されており、東京での『Maker Faire Tokyo』は全国から愛好者たちが集合する秋の一大イベントとなっています。
昨年から続くコロナ禍を考慮し、『Maker Faire Tokyo2021』は 10月2日(土)と3日(日)にオンラインで開催されます。つまり、全国どこでもお好きな場所で楽しめる貴重な回です。私たち株式会社obniz は今回出展しませんが、過去の経験を振り返りつつこのイベントの魅力を改めてご紹介します。
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自分でやってみよう、人にも見てもらおう
D.I.Y.(Do It Yourself)という言葉を聞くと、なぜかアメリカのイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。例えば、屈強な腕っぷしの男性が、時には女性もが袖を肩までまくり上げて故障した車の下に潜り込んだり、高い脚立に腰をかけて派手なペンキを壁に塗りたくる光景が目に浮かびます。
しかし元を辿れば、第二次大戦後にイギリスへ帰還した元軍人たちが、荒廃した地元の街を建て直そうと ❝ Do it yourself ❞ と互いに声をかけ合ったのがきっかけらしく、それが次第にヨーロッパ、アメリカへと広まっていったと言われています。歴史あるものとアンティークをこよなく愛し、石造りの家屋を永く残せるよう全て自力でリノベーションするのを厭わない気質は、まさにD.I.Y. 精神です。
一方、現代のアメリカのD.I.Y. には、異なるニュアンスが含まれています。それは、品のある自宅や庭の修繕ではなく、むしろ土埃にまみれたガレージ もしくはカビくさい地下室に座り込んで、配線コードやLED、電子基盤、モーター、車輪、ぬいぐるみ などを散らかしたまま、無我夢中で作業する姿が近いかもしれません。
きっとそのなかには 想像のはるか斜め上を行く、誰もが仰天する物体や世紀の発明品の小さなタネがあるのかもしれません。
2005年創刊の『Make』は、そうした人々がまさしく求めている情報を盛り込んだテック系工作専門誌でした。
読者や同士たち(Maker)は雑誌を読んで満足することは決してなく、創刊の翌年にはサンフランシスコで初の『Maker Faire』が開催され、その後10年以上経つ頃にはMakerたちがおよそ1,200名も出展、同時に12万を優に超える来場者数を記録する巨大イベントへと成長しました。
遊園地に昔からある「コーヒーカップ」ではない。道路を普通に移動する「電動駆動マフィン」
幼稚園の運動会の思い出のひとつ「段ボールキャタピラー」ではない。もっと硬くて、きっと辛い。
❝All Of Us Are Makers❞
Make 創刊者 Dougherty氏のスピーチ
Dale Dougherty
Tech Publisher / Founder of Make Magazine.
Maker Faire is now evidently most largest D.I.Y. festival in the world.
ちいさな基盤を見せに、おおきな大陸へ行く
2017年夏、株式会社obniz(当時は株式会社CambrianRobotics)の共同創業者/開発エンジニアの佐藤雄紀と木戸康平の姿が『Maker Faire NEW YORK』の会場にありました。そこで展示されていたのは、生まれたばかりのちいさなマイコンボード『obniz Board』です。
大きな会場、多くの人々
それから3年後。2020年秋に東京ビッグサイトで開催された『Maker Faire Tokyo』では、前年に仲間入りしたスリープ機能付き省電力設計の『obniz Board 1Y』や、8種のパーツとセットになった『obniz Starter Kit』などもブースに並んで、連日多くの来場者に立ち寄っていただきました。
また、期間中は『obniz Board』が、サイボウズ社『kintone』のブースや一般の方の作品展示でも利用されるなど、嬉しい出来事もありました。
現在、ホビーのみならず、教育教材やIoTのプロトタイプ開発などさまざまな用途での利用が増えているのは、たくさんのユーザーの方々が『obniz』の技術そのものの可能性を引き出してくださったからです。
皆さまのご支持に改めて感謝の気持ちが湧いてきます。
『Maker Faire Tokyo 2021』は、2021年10月2日(土)と10月3日(日)にオンラインで開催されます。
私たちのブースや企画はごらんいただけませんが、例えばこうしたところに何かが隠れているかもしれません。
期間中に行われるさまざまなプログラムの内容や視聴方法は、公式サイトをご参照ください。
また、オフィシャルグッズに目がない方は、Maker Official Storeをのぞいてみてはいかがでしょうか?
2021年は我が家で、そして来年以降はまた会場でお会いできますように…!
(Makeyもお待ちしています)