株式会社obnizは2021年3月15日から5月16日にかけて、エイミー株式会社が運営するハードウェアの開発者コミュニティ『elchika』にて『obniz IoT コンテスト2021』を開催しました。
本記事では、応募総数175件の中から選出された最優秀賞2件、優秀賞10件 全ての受賞作品を審査員の講評と合わせてご紹介します。
コンテンツ
コンテスト概要
『obniz IoT コンテスト2021』では、遠隔操作やAIなどIoTをテーマとしたロボットまたはガジェットのアイデアを募る「電子工作」部門、自宅やオフィスの環境あるいは家電や道具などをより便利に快適にするためのアイデアを募る「スマートホーム」部門を設けました。
応募者はいずれかの部門を選び、公式製品『obniz Board』または姉妹品の『obniz Board 1Y』 を用いたオリジナルのアイデアを投稿するのがルールです。
創業以来初のコンテスト開催だったものの、「電子工作」部門には68件、「スマートホーム」部門には107件、合計で175件もの作品が集まりました。
そして、創業者の佐藤雄紀と木戸康平を中心としたobniz開発部門メンバーによる厳粛な審査を行い、5月31日にプレスリリースおよび『elchika』にて各部門の最優秀賞と優秀賞を発表しました。
満場一致で決定!各部門最優秀賞
■「電子工作」部門 最優秀賞
3duilab様
「非接触空間センサーとobnizで作る”忍びの地図”」
概要:映画「ハリー・ポッター」に登場する魔法の地図”Marauder’s Map”(忍びの地図)を非接触空間センサーを活用して創造した作品
<講評> 佐藤 雄紀 株式会社obniz 創業者/CEO/開発エンジニア 誰がどこにいるかを認識するにはカメラを利用する手もありますが、これは現実世界のデジタル投影として素晴らしいです。人の位置をキレイに、それも存在だけでなく「二の足を踏む」なども伝えられる精度で表現し、ウェブの表現力もうまく使われています。
■「スマートホーム」部門 最優秀賞
ironikot 様
「突然の雨でも安心!『洗濯物取り込みくん』」
概要:急な雨で洗濯物が濡れるのを防ぐために、センサーと仕掛けを組み合わせたシステム
<講評> 木戸 康平 株式会社obniz 共同創業者/開発エンジニア 洗濯物を雨から守りたいという誰もが思う願いを、IoTだけでなく物理的な仕掛けと組み合わせて実現しているのが素晴らしいです。領域にとらわれずに、どうやったらやりたいことが実現できるかという創意工夫が感じられます。
「電子工作」部門 優秀賞
RYUJI 様
「【Wekiの気持ち】植木の環境状態を測定して植木とのコミュニケーションを図る」
概要:センサーやLINEで対話しながら手入れを行えるシステム
<講評> 佐藤 雄紀 まず、アイディアとして「植物とLINEで会話する」のが面白いです。この作品には多くの工夫がされているのを感じます。ベースとなるアイディアもありますが、次にそれを実現するためのセンサー利用方法。ただ土壌センサーで水分を取るだけでなく、複合的に使われています。さらにこのシステム全体の運用で、サーバーで常時稼働させるのではなく、なるべく無料でも使えて他の人でも作りやすく使いやすい仕組みをフル活用されているのが素晴らしいと思いました。
hiro42 様
「オンライン操作のカードシャッフラー」
概要:指定人数のボタンを押すとシャッフルと配布を行えるシステム
<講評> 木戸 康平 既存機器をIoT化するという部分だけでなく、カードを配るという状況にあった「各人の方向を向く」という機能がぴったりであり、面白いと思いました。
Satomi 様
「目覚ましマウスパッド」
概要:表情から眠気を検知して目覚ましのアクションを行うシステム
<講評> obniz開発部門 コンテスト審査員 「テーマ」「システム構成」「物理的なパーツの組み立て」など、全体的にレベルが高いと思います。単純に「寝ている⇒アラート」とせずに、眠さの段階でアラートレベルを分けるのも、よりリアルなシステムっぽくて良かったです!
Hashimoto.Koji 様
「obniz 2個使いでロボットアームを遠隔制御してみた」
概要:加速度センサーを駆使し、ロボットアームを遠隔から動かせるシステム
<講評> obniz開発部門 コンテスト審査員 ロボットアームの遠隔操作はよく見かけますが、これは手首を捻る方向を利用し片手だけで操作できるアイデアが素晴らしいですね!また、閾値を設け安定時にのみ動作するようになっているのもgoodポイントです。
RyotaIkeuchi 様
「お菓子とってー → 発射!」
概要:LEGOブロックと人形も組合わせて、手を挙げるとこちらにチロルチョコを投げてくれるシステム
<講評> obniz開発部門 コンテスト審査員 人に向けてお菓子を投げてくれる機能やレゴブロックの見た目や設定が、ポップで大変楽しいものでした。技術的にも、人間の各部を検出して姿勢を把握し、アーム制御を行うという高度な実装も大変興味深い点でした。
「スマートホーム」部門 優秀賞
team_shinkaiLab 様
「お出かけ先の天気と連動するIoT傘立て」
概要:天気予報データを活用して雨を知らせてくれるシステム
<講評> obniz開発部門 コンテスト審査員 自ら天気予報をチェックしなくても、傘立てから働きかけてくれることで傘を忘れずに持っていくことができる、という仕組みづくりのアイディアがすごくいいなと思いました!
makoragi 様
「黙って帰らせないず — obnizとクラッピーで「ただいま」言わせる」
概要:帰宅時に「ただいま」の挨拶を促してくれるシステム
<講評> obniz開発部門 コンテスト審査員 テーマの大きさがとてもちょうど良いな、と思います。難しすぎず、簡単すぎず、それでいてちゃんと意味のある、ユニークな着眼点。「obniz Boardをどんな風に使ってもらいたいか」と考えた時に、この作品のアイディアがとてもしっくり来ました!
iemong_ 様
「obnizでエアロバイクの回転数を取得して、
YouTubeの再生速度を変更する」
概要:動画を見ながらエアロバイクを漕ぎ続けるためのシステム
<講評> obniz開発部門 コンテスト審査員 モチベーションのために再生速度と運動を結びつける独創的なアプローチは、大変面白いアイデアでした。 obnizを回転速度と動画操作を繋げるIoTデバイスとして効果的に活用していただいたのも嬉しい点でした。
Koda 様
「データをインテリアにする」
概要:さまざまなデータをインテリアとして飾れるシステム
<講評> obniz開発部門 コンテスト審査員 スマート家電などで天気を確認するようになったデジタル社会にアナログ感を加えつつ、手まりを使用することで和を感じられる素晴らしい装置ですね。また、1Yのスリープ機能で電池消費を抑えられているのがとてもgoodです!
masahitech 様
「ペットのトカゲを現地と同じ環境で飼育する日照管理システムの構築」
概要:トカゲの実際の生息地に合わせた日照管理を行えるシステム
<講評> 木戸 康平 現在地の天候をお知らせするというものはよくありますが、遠隔地の天候を再現するものはなかなかなく、発想がユニークで面白いと思いました。目的もペットの環境改善とはっきりしており、実用性がある点も評価が高いです。
応募をきっかけに、『obniz Board』シリーズを初めて触ったという方も少なくなかった今回のコンテスト。それでも、「意外と簡単だった」「とても楽しかった」というご感想を多くの方からいただけて、私たちにとってコンテストの開催は非常に意義あるものとなりました。
株式会社obnizは「すべての人がIoTの恩恵を受けられる世界」を目指しています。そして、私たちが開発して皆さまへご提供している技術は、その世界を1日でも早く実現するために存在しています。
これからもさまざまな機会を通じてユーザーの方々の声に耳を傾け、『obniz』というテクノロジーが皆さまの強い味方であり続けられるように改良を重ねていきます。
『obniz IoT コンテスト2021』へ関心を寄せていただいた方やご応募くださった全ての皆さま、誠にありがとうございました!