株式会社ステップワン
株式会社ステップワンでは、obniz(オブナイズ)を利用した、既存サービスの機能強化の実証実験を行なっています。
obnizを使った開発について、株式会社ステップワン ソフトウェア開発部の平西様にお話を伺いました。
<会社紹介>
株式会社ステップワンは、神戸市を拠点に、組込み(エンベデッド)分野を中心として、ハードウェアとソフトウェアの総合エンジニアリングを提供している開発会社。受託での組込ソフトウェア開発を主業務としており、各種ハードウェアを駆動するドライバソフトウェアからアプリケーションソフトウェアまで幅広く対応できる。
近年は、Bluetooth Low Energy(BLE)を用いた、温湿度ロガーやCO2ロガー、加速度ロガーなど、ハードウェア+アプリケーション開発を商社と共同で行っている。
開発の背景/経緯
既存サービスの機能強化、および設備の簡略化のため、クライアント側からobniz BLE/Wi-Fiゲートウェイ(以下、obnizBLE)を用いた機能強化を依頼・提案され、開発をスタート。
– エンドユーザーの利便性の向上が目的
私たちが過去に開発した既存のサービスでは、BLE経由で取得したデータを、スマートフォンのアプリを介して専用の端末に自動ダウンロードしています。
アプリのインストールや操作の面で、ユーザーによっては困難に感じたり、ユーザー自身に手間を取らせる点が現状の課題として挙げられました。利便性向上のためにobnizBLEを用い、既存サービスの機能を強化することが開発の主な目的です。
<システム概要>
[Before]既存のサービス
スマートフォンのアプリを介して、データを自動で専用端末へダウンロード。アプリのインストールや操作が必要。
[After]既存サービスの機能を強化
obnizBLE/Wi-Fiゲートウェイを介してデータを自動で専用端末へダウンロード。ユーザー側の操作は不要となる。
試作の初期動作まで、数週間で実現
– 3週間程度で動作開始
本件の社内の開発担当は1名。開発に着工してから2〜3週間程度で、想定したある程度の機能までは実装・動作の確認ができました。
今回実現する機能を、obnizを使わずゼロから開発すると、数ヶ月を要すると想定されるため、仕組みの一部分をobnizが担うことで、開発期間を劇的に短縮できています。
– 実用的なマニュアルとJavaScriptでの開発
ソフトウェア部分を、JavaScript(以下、JS)を用いて開発しています。
通常は組込みを中心にした開発が主なため、本件を担当した技術者も、JSを使った開発は初めてでしたが、公開されているマニュアルを参照しながら開発/実装を進めています。
提供されているマニュアルが、実用を想定し丁寧に書かれていて、学習コストがほとんどかからない点も開発期間の短縮につながっています。
– セキュリティや運用面でのメリットも
新規の端末やPCを導入する際、セキュリティ対策やクラウド(サーバ)の運用面が課題となります。obnizBLEを用いることで、セキュリティ面では、製品としてすでに評価がなされている点、クラウド運用をobnizが担うという点において、セキュリティリスクや保守の面でも、工数削減に貢献していると感じています。
導入に期待する効果
(2020年5月現在、機能の動作検証中)
– エンドユーザーの手間の軽減、利便性の向上
Bluetooth経由で取得したデータは、obniz BLE/Wi-Fiゲートウェイを介して自動で専用端末に連携可能となります。スマートフォンでのアプリ操作が不要となるため、エンドユーザーの利便性の向上が期待できます。
– 設備の簡略化
同様の機能をobnizを使わずに提供する場合、Bluetoothデータ通信のために、PC等の端末を設置すると想定されます。PCを導入した場合、設備費・メンテナンスにコストが必要です。
obnizBLEであれば、設置場所やメンテナンスを簡略化できるという運用面での効果も期待できます。
今後の展開・活用
工場や医療現場など、現在PCやスマートフォンを介してBLEデバイスと連携しているものは、obnizBLEに置き換えが可能なものがあると期待しています。
自社で開発するBLEのセンサー類との組み合わせや、組込みでの開発も視野に入れて、obnizを活用できるシーンを提案できればと考えています。
株式会社ステップワンは、obniz IoTソリューションパートナーです。
株式会社ステップワン
事業内容 | (1)ソフトウェア開発 (2)ソフトウェアの販売・カスタマイズ・技術サポート (3)半導体エンジニアリング (4)ハードウェア開発 (5)コンサルティング/商品企画・開発・販売 |
設立 | 1990年11月2日 |
obniz BLE/Wi-Fi ゲートウェイとは
BLE製品をクラウドから簡単制御できるBLE製品のためのプラットフォーム。
1)開発が容易:全てクラウドからの簡単制御
2)セットアップが容易:現地でWi-Fiセットアップを行うだけ
3)機器の追加・変更が容易:現地には製品だけ送ればクラウド側で後から設定可能
4)高セキュリティ:ゲートウェイ内にセンサデータが溜まらず漏洩の心配なし