トイレの混雑状況をリアルタイムに確認
非接触、密回避をテーマにobnizを使ってはじめてのIoT開発

株式会社HitBit

2021年12月18日、宇都宮市大谷町特産「大谷石」の採石場跡で、車に乗ったまま映画を楽しめるドライブインシアターが開催されました。このイベントの中で、非接触・密回避をテーマに、obnizを用いたトイレの混雑状況確認システムが活用されています。

obnizを導入した目的をはじめ、活用法や効果についてお話を伺いました。

[お話を伺った方]

株式会社HitBit

古藤野 様
小川 様

「非接触・密回避」をテーマにIoTプロジェクトに挑戦

「大谷石」採石場跡でのドライブインシアターは栃木のみなさまと共に元気になるためのきっかけづくりを目的として、私たちが運営する「栃ナビ!」と県内学生有志との産学連携で開催したイベントです。

新型コロナウイルス禍でのイベント開催となり、来場者のみなさまに安心、安全に楽しんでいただくため会場のレイアウトや動線を工夫し、「非接触・密回避」をテーマにしたプロジェクトとなりました。

設営の様子:スクリーンの位置を基準点とし、距離と角度を測って駐車位置を決定
スマホでトイレの空き情報がわかるシステムをこのシアターのために開発

「ドライブインシアター in 大谷町」開催レポート(栃ナビ!記事)
https://www.tochinavi.net/feature/home.shtml?id=10516

イベントの様子(産経新聞の記事)
https://www.sankei.com/article/20211218-ABHX633H6FKYFE7UQDXJKKQJ7I/

短期間のイベントでコストを抑えてIoTを実現したい

非接触・密回避 + IoTを取り込んだプロジェクトとして、「車に乗ったままスマートフォンなどの端末からトイレの空き状況を確認できる仕組み」を企画しました。

プロジェクトを開始した当初は、「空室確認」「混雑状況確認」などをキーワードに、既存の製品やサービスを検索しましたが、機器自体が高額、サービスの利用料金が必要など、単発のイベントでの利用に見合うコスト感の製品、サービスは見つかりません。

それならばと、市販のセンサー + 基板を使用して、システムの自作も検討しました。材料費を抑えたとしても、サーバーの手配や環境構築のための開発費が必要となります。

Webやソフトウェア側の知見はありますが、センサーの選定、C言語を使っての開発、ハードウェアのネット接続やブラウザ表示など、IoTの開発には多岐にわたる知識が必要となり、短期間のイベントで使うにはコストが見合わない、思うようなカスタマイズができないなど、なかなか要望に合う製品や開発方法を見つけられずにいました。

HTML/JavaScriptでカスタマイズできる obniz Board を活用
開発コストを抑えてアイデアを実現

今回制作したのは、obniz Boardと人感センサー(PIRモーションセンサー)を用い、トイレの利用状況、混雑状況をスマートフォン等の端末から確認できる仕組みです。

構想やパーツの選定などに1週間、画面を含んだシステムの開発は、4日間程度で完了しました。

トイレの混雑状況確認システムイメージ

会場には仮設の簡易トイレを男女2台ずつ設置しました。計4台のトイレにそれぞれ、obniz Board 1Yにつないだ人感センサーを設置しています。

回路やセンサーの知識はほとんどなかったのですが、公開されている対応パーツから選定すればよく、さらにobniz Boardに直接パーツを挿すことができるため、つまずくこともありませんでした。

ユーザー側画面

来場者がトイレの空き状況を確認する画面は、Webやアプリ制作の知見を生かし、自社で制作しました。

スマートフォンで確認することを想定し、空き状況が一目で認識できるよう工夫しました。

強いて苦労した点を挙げるならば、防水のための配線やケースの選定です。屋外での利用かつ、イベント前日の設営でしたので、雨風にさらされるなど、天候による機器への影響が心配でした。防水テープの使用や、obniz Boardをプラスチックケースに収めるなど防水対策をしています。

実際の設置の様子

市販の安価なセンサーと組み合わせて、自分の環境で自由に開発できるobnizは今回のプロジェクトに最適でした。プログラム環境の構築やサーバーの手配は不要で、ソフトウェアと画面の開発だけですぐにスタートできます。

また、obniz Boardを使えば、クラウドの利用が無料な上、使い慣れているJavaScriptでプログラムできるため学習コストもかかりません。ブラウザ上で動作を試せる点にもメリットを感じています。

来場者の人数や混雑状況把握などイベントでIoTを活用
ロボット教室など教育分野での活用も

私たちは事業のひとつとしてイベント運営を行なっています。来場者の人数カウントや混雑状況の確認など、今後もobnizを使ってイベントで活用できるIoTに挑戦してみたいと考えています。

また、小中学生向けのロボットスクールの運営も行っていて、obnizを使ったカリキュラムを展開しています。距離センサやモータの利用から、外部APIを利用した天気情報の取得、遠隔操作ロボットの作成まで、中学生でもIoTが簡単に実装できる教材として、今後スクールに本格的に導入予定です。

タミヤロボットスクール インターパーク教室
タミヤロボットスクール 宇都宮教室

株式会社HitBit

株式会社HitBit https://www.hitbit-inc.net/

所在地栃木県宇都宮市
事業内容地域密着型マーケティングサイト構築・運営支援、システム構築、DBの設計・構築、CL・VI企画・制作、WEB制作、キャラクター制作、ロゴ制作、イラストレーション、グラフィックデザイン、アプリ制作

obniz Boardシリーズについて

obniz Boardシリーズ

ボード単体で、Wi-FIに接続可能なIoTプロジェクトに最適なマイコンボードです。

12のIO、全てにモータードライバーを搭載。モーターやセンサーをそのまま接続して動かすことができます。

専用クラウド(obniz Cloud)の無期限利用ライセンス込みなので、個人の創作活動や、プロジェクトのプロトタイピングまで。インターネットにつながるプロジェクトをすぐに始められます。

obniz Boardシリーズ製品ページ

※本記事の内容、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
※掲載内容は2022年2月の情報です。