クラウド(クラウドコンピューティング)は、コンピューターの利用形態の1つで、インターネットを通じてサービスの提供を行います。例えば、クラウドの表計算ソフトウェア(Googleスプレッドシートなど)は、インターネットに接続できるあらゆる端末から利用できます。ソフトウェアを端末にインストールする必要がないので、大変便利です。
クラウドは、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)と深く関わっています。本記事では、クラウドについて詳しくご説明します。
IoTについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご覧ください。
コンテンツ
IoTにおけるクラウドの役割
IoTでは、あらゆるモノ(IoTデバイス)がインターネットに接続され、IoTデバイスとインターネットの間でデータのやりとりが行われます。このとき、インターネットではどのようにデータが処理・蓄積されるのでしょうか。
実は、IoTデバイスはインターネットを通じて、IoT用に準備されたクラウド(IoTクラウド)に接続されます。IoTデバイスから得られたデータや、IoTデバイスに送られるデータは、このクラウドによって処理・蓄積されるのです。

IoTクラウドについては、以下の記事でもご紹介しております。
クラウドとは
クラウドの概要
クラウド(クラウドコンピューティング)は、コンピューターの利用形態の1つです。サービスはインターネットを通じて提供され、インターネットに接続されたパソコンやスマートフォンで利用できます。
よく知られているクラウドのサービスとして、Googleの提供するGoogleカレンダーやスプレッドシートなどがあります。また、Gmail、iCloudメール、Yahoo!メールといったWebメールも、クラウドサービスです。これらは、インターネット接続するだけですぐに利用することができます。
クラウドサービスを利用するとき、ユーザーはソフトウェアをインストールする必要がありません。また、サービスを提供するコンピューター(サーバー)がどこにあるかを気にする必要はありません。
クラウドの歴史
クラウドの概念が広く世に普及し始めたのは、2000年代以降です。クラウドの概念自体は1990年代から提唱されていたのですが、2006年にGoogleのCEO(当時)であったエリック・シュミット氏がクラウドのコンセプトに触れたのをきっかけに、一気に注目を集めるようになりました。
クラウドが登場する前は、ほとんどのサービスが大規模な自社設備内で運用されていました。現在、この従来型の運用形式は「オンプレミス」と呼ばれ、しばしばクラウドと対比されます。
クラウドの基本的な特徴
クラウドについて、米国国立標準技術研究所(NIST)が5つの基本的な特徴を定義しています。5つの基本的な特徴を、簡単にご説明します。
○オンデマンド・セルフサービス
利用者がサービスの提供者を介することなく、自由に性能や動作時間を設定できること
○幅広いネットワークアクセス
パソコンやタブレット、スマートフォンなど、インターネットに接続された多種多様な端末からサービスを利用できること
○リソースの共用
複数のユーザーでシステムの資源(ストレージ、処理能力、メモリ、ネットワーク帯域など)を共有できること
○スピーディな拡張性
利用者が要求した場合、すみやかにコンピューティング能力を追加で提供できること
○サービスが計測可能であること
サービスの利用状況を計測できる仕組みをもっており、利用者やサービス提供者が確認できること
クラウドの種類(IaaS、PaaS、SaaS)
クラウドは、そのサービスの提供形態によってIaaS、PaaS、SaaSの3つに分類されることがあります。自社でIoTサービスを開発する場合は、IaaSやPaaSを利用する必要があります。SaaSで提供されるIoTサービスであれば、開発を行うことなくすぐにサービスを利用できます。

IaaS (Infrastructure as a Service)
システムの稼働に必要なストレージやプロセッサなどのインフラ基盤のみを提供するサービスです。OSが提供されるものもあります。アプリケーションやミドルウェア(アプリケーションとOSの連絡係)は提供されないので、利用者が用意する必要があります。Xサーバーなどのレンタルサーバーも、IaaSに分類されます(後述するPaaSに該当することもあります)。
PaaS (Platform as a Service)
インフラ基盤に加えて、OSなどのミドルウェアも提供するサービスです。利用者は、利用したいアプリケーションを自分で実装してサービスを利用します。
SaaS (Software as a Service)
インフラ基盤やミドルウェアに加えて、サービスを提供するアプリケーションまでの全てを提供するサービスです。利用者はソフトウェアを開発することなく、すぐさまサービスを利用できます。Googleの提供するGoogleカレンダーやスプレッドシートなどは、SaaSに該当します。
パブリッククラウドとプライベートクラウド
クラウドは、サービスが一般に公開されているか否かで、パブリッククラウドとプライベートクラウドに分類されることがあります。また、これらを組み合わせたものをハイブリッドクラウドと呼ぶこともあります。
パブリッククラウド
パブリッククラウドは、サービスが一般に公開されており、多数の利用者が特定の資源を共有します。低い初期投資で開始でき、不要になった場合に簡単に削減できるメリットがあります。一方で、障害が発生した場合に自社で対応できない、必要なアプリケーションを稼働させることができない場合がある、などのデメリットがあります。また、高負荷な作業をすると、値段が高価になる場合があります。
プライベートクラウド
プライベートクラウドは、特定の企業や組織専用のクラウドで、外部のユーザーは利用できません。比較的自由にサービスを運用できる一方で、初期投資が高額になったり、運用者に高い技術力が求められたりする場合があります。
クラウドサービスの例
Amazon Web Services (AWS)
AWSは、Amazonが提供するパブリッククラウド(IaaS、PaaS)です。シンガポールの調査会社Canalysによると、2019年の世界クラウドインフラ市場(支出額ベース)において、AWSのシェアは32.3%※1 でトップになっています。
ちなみに、obnizはAWSの提供するAWS Lambaというシステムを使って動かすことができます。以下のページをご覧ください。
AWS LambdaとAPI Gatewayを使う – obniz Docs
(参考 ※1:19年のクラウドインフラ市場、AWSの首位揺るがず 世界シェアの約3割占める Azureが約2割で猛追 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2002/13/news117.html)
Microsoft Azure
Microsoft Azureは、Microsoftが提供するパブリッククラウドです。シェアは世界2位※1 で、AWSを追随しています。
Google Cloud Platform(GCP)
GCPは、Googleが提供するパブリッククラウドです。シェアはAWSとAzureに次いで世界3位※1 となっています。
OpenStack
OpenStackはIaaSを構築できるオープンソースソフトウェアです。多数のサービス(コンポーネント)が用意されており、ユーザーは利用したいコンポーネントを選択してインストールします。2019年には楽天がOpenStackを用いたクラウドサービス「楽天クラウド Red Hat OpenStack Platform」を発表し話題になりました。
CloudStack
CloudStackはOpenStackと同様、IaaSを構築できるオープンソースソフトウェアです。
obnizクラウド
obnizクラウドは、株式会社CambrianRoboticsが提供するobniz専用のクラウドサービスです。obniz公式デバイスを使えば、デバイス管理やサーバーレスイベント機能が、月額無料で利用できます(※Liteプランの場合)。
ファームウェアレスを実現するIoTクラウド
IoTの導入にあたり、通常はIoTデバイス上にファームウェアと呼ばれるソフトウェアをインストールする必要があります。ファームウェアの開発にはコストがかかりますし、アップデート時は各デバイス毎にファームウェアを書き換える必要があります。

そこでぜひ活用したいのが、デバイス上にファームウェアを必要としないIoTです。obnizは、ファームウェアをクラウド上に集約し、デバイス上のファームウェアを不要としました。obnizなら、お手持ちの機器を簡単にIoT化できます。

私たちCambrian Roboticsは、obnizでのIoT導入をサポートするobniz Solutionを提供しています。お持ちの機器や環境の「IoT開発」を、試作・量産・運用などのフェーズを問わず請け負っております。パーツの取り寄せからobnizOS の移植・セルラー回線への対応など、ご要望に合わせて幅広くサポートいたします。
IoTの導入をご検討の企業様は、お気軽にお問い合わせフォームよりお問い合わせください。また、「obniz Solution」のサービス、obnizの仕組みや導入のメリットをご説明した資料をご用意しています。無料でダウンロードできますのでご利用ください。