窓を開けて換気中の看護師

感染予防 知っておくべき2つの換気ポイント


2020年1月に日本国内で感染第1例が現れて以来、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大は未だに収まる気配を見せていません。2021年8月13日には首都東京の感染者数は5773人、日本全国では20293人となり、それまでの記録を大きく超えました。

現在の状況

新型コロナウィルス(COVID-19)は驚異的なスピードで変異を続けており、2021年8月初旬までに20種類以上の変異株が生まれ、WHO(世界保健機関)がVOC(Variant of Concern=懸念される変異株)に指定した対象は「アルファ株」「ベータ株」「ガンマ株」「デルタ株」の4種となりました。なかでも「デルタ株(the Delta variant)」の感染力や重症化リスクは非常に強く、日本全国で警戒感が高まっています。


新型コロナウィルス「デルタ株」(国立感染症研究所 提供画像)

国内主要都市の「緊急事態宣言」は期間延長を重ね、感染者の急増により各地の医療体制がひっ迫しています。私たち一人ひとりが日々できることは、感染予防策の再徹底です。
屋内で過ごす日、特に夏場のエアコン利用時につい忘れがちな「換気」について、2つのポイントをご紹介します。

1 温度と湿度のお約束

一般的なエアコンは、室内の空気を循環させながら空気に含まれる熱のみを排出して室内温度を下げる仕組みになっています。
この「循環式エアコン」に換気機能は無いため、エアコン利用中に換気する際は熱中症にも十分気を付けなければいけません。そこで大切なのは室内の温度と湿度、そして窓の開け方です。

<暑い日の室内換気法>

換気する間は温度28度以下、湿度70%以下をキープさせる

エアコンはできるだけ低い温度で設定

2方向の窓をできるだけ開けて、連続的に空気を室内へ通していく

1方向にしか窓がない場合、ドアまたは天井や壁の高い位置の窓を追加で開けて外気を入れる
*窓を開けると温度・湿度が上がってしまう場合、屋内で運べる空気清浄機を併用し、外気の採り入れ方向と空気清浄機の風向きを同じにする
空気清浄機は、人の居場所から10㎡(約6畳)以内に設置すると効果的

〔知っておくと便利〕

空気清浄機は「HEPAフィルタによる ろ過式」で風量が毎秒5m3程度以上の製品がおすすめ

・熱中症予防のため、室内でもこまめに水分補給、同時にタブレットや飴などで塩分補給も
  (ただし、利尿作用のあるカフェインや糖分過多のジュースはかえって身体には良くない)

総務省が公表している消防庁のデータによれば、2017(平成29)年から2020(令和2)年までの熱中症による救急搬送が発生した場所は、全体の約4割前後が「住居」で、次に多いのは屋内を含む「仕事場」です。

コロナウイルスの感染拡大によるリモートワーク導入や休校措置で、自宅で過ごす人々が一気に増えていった2020年に限っては、住居での熱中症による救急搬送が全体の43.4%にも及びました。
夏場の室内換気の際に熱中症予防が併せて注意喚起されるのは、こうした背景があるのです。
(※総務省 令和2年10月27日発表 消防庁報道資料より)

2 見えない〇〇〇に注意

自宅でリモートワーク中の女性
一人暮らしであっても家族との同居であっても、室内の換気は同じように必要です

私たちが呼吸をする度に呼気に含まれる二酸化炭素(CO2)は空間に滞留し、やがて充満していきます。空間内の二酸化炭素(CO2)濃度が1000ppmを超えていくにしたがって、眠気や倦怠感、頭痛が起きやすくなり、生産性まで低させるとも言われています。また、溜まったままの空気中にはアレルギー物質やウィルスも含まれています。

国の「建築物環境衛生管理基準」では、屋内の二酸化炭素(CO2)の含有率は1000ppm以下と規定されています。一方で、そうした管理基準や理由は一般にはあまり知られていませんでした。

今般の新型コロナウィルス発生と国内での感染拡大を受け、2020年11月に政府の新型コロナウィルス感染症対策分科会(会長=尾身茂・地域医療機能推進機構理事長)が発表した「緊急提言」のなかで、飲食店など人が多く集まる場所での「CO2モニター」(CO2センサー、または二酸化炭素濃度測定器)が推奨され、それ以降は空間内のCO2濃度のモニタリングと定期的な換気の重要性が人々の間で一気に認識されるようになりました。

しかしながら、最近では本来の役割を果たさない粗悪な「CO2モニター」「CO2センサー」が市場に出回り、そうとは知らずに設置している店舗や施設も少なくありません。

2021年8月10日にテレビ朝日系列『報道ステーション』で、研究用のCO2センサーを基準にして、価格約5万円の国内メーカー品1台、ネット通販で購入した1万円以下の製品6台の性能をそれぞれ比べる実験の様子が放送され、全く機能しないセンサーが販売されている実態が明らかになりました。

『報道ステーション』2021年8月10日放送 「独自検証 “CO2センサー” 粗悪品か “密” 反応せず

<効果的な換気のヒント>

✔「CO2センサー」(CO2モニター 、または 二酸化炭素濃度測定器)は、厚生労働省推奨の「NDIR」
 (​Non Dispersive Infra Red/非分散型赤外線)方式を選ぶこと
  (NDIRは高い精度と安定性を長期間保ち、コストパフォーマンスにも優れているセンサー)

✔「CO2センサー」はドアや窓、換気口から離れたところに設置する
  また、呼気によって数値がすぐ反応しやすくなるため、人から50㎝以上は離すこと

✔ 空間を長時間換気していない、または人が密集している状態でも「CO2センサー」の数値が低いままなら、消毒用アルコールを付けた手を試しに近づけてみること
 (数値が急に変化したら、例えば特定のガスセンサーなど全く異なる偽センサーの可能性が)



“Moving Forward” Innovating Future: IoT Ventilation Alert System
 (※取材撮影時は社名変更前につき、テロップは旧社名のCambrianRobotics と表示されています)

obniz BLEゲートウェイ』を活用した『obniz CO2モニタリング』システムは、世界中の感染症予防対策に貢献する日本の卓越した技術のひとつとして、政府の公式YouTubeチャンネル上で海外に向けて紹介されています。

『obniz CO2モニタリング』システムで使用するCO2センサーは、厚労省が推奨する高精度のNDIR方式です。
このシステムでは、ご利用者が任意でスマホ または PCから空間内のCO2濃度をリアルタイムに把握しながら、空間の適切な換気を行えます。また、CO2濃度の数値を一定期間のグラフでも確認可能で、傾向や推移を基に中長期的な対策や改善策を立てることもできます。

これまでに、飲食店や結婚式場・遊戯施設など多くの方が利用する空間での導入実績があり、使いやすさとデータの見やすさ、精度の良さで高い評価を受けてきました。


コロナウィルスもCO2(二酸化炭素)も、私たちの目にはまったく見えません。同時に、市場で販売されているさまざまな製品に内蔵されたセンサーも、表面からは分かりません。
だからこそ、感染予防と屋内の換気には正しい知識と信頼できるツールが必要です。最新の情報をしっかり選別しながら、予防対策と体調管理を日々行っていきたいですね。

株式会社obnizが開発した『CO2モニタリング』システムの導入をご検討の方は、弊社営業部までお問合せください。

2022年6月30日追記 
連携先システムのサービス終了に伴い、2022年6月末をもって『obniz CO2モニタリングシステム』のパッケージでのサービス提供を終了いたしました。今後は、センサーとゲートウェイを組み合わせた個別開発として承ります。

東京都内 有名結婚式場での事例

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*本記事は2021年8月中旬時点での日本国内の最新情報、及び官公庁や報道機関からの情報に基づき執筆しました。

*流行性、且つ新しい疾病は、症状や治療法も刻一刻と変化します。すべて医療従事者の専門知識と診断が必要です。「新型コロナウィルス感染症」に関するご相談やお問合せは、以下に代表される各専門窓口をご利用ください。

●お住まいの都道府県、または市区町村、及び地域の医師会による相談センター、指定医療機関
●厚生労働省 電話相談窓口 0120-565-653 (午前9時から午後9時まで対応)